子どもの外傷歯について❶

羽曳野市恵我之荘の青木歯科でございます。

本日は子どもの外傷歯(ぶつけた歯)についてご説明させていただきます。

小さいお子さまがいらっしゃる場合は、こんなご経験ありませんか?

☆急に転倒して顔からぶつけてしまった。

☆学校の球技の時間にボールが前歯にぶつかった。

☆お友達同士で遊んでいて肘などが顔に当たってしまった。

このような顔に衝撃が加わる場合、特に衝撃が加わるのは上の前歯が

多いです。

また、上の前歯と一括りに呼んでも

乳歯か永久歯か?

歯の傾きはどうか?(出っ歯気味か?)

元々揺れている歯か?

など様々なシチュエーションがあると思います。

今回は幾つか例を挙げてお話しできたらなと思います。

❶学校でボールがぶつかって歯が半分欠けてしまった。(年齢12歳)

まず歯が欠けてしまった場合は、まずカケラを探してください。

理由としては、欠けてしまった歯でも再度接着させること場合があるからです。

また、保存方法としては生理食塩水か牛乳に浸しておきましょう。

今回のケースでは、学校の中なので保健室に生理食塩水はあることが多いです。

すぐに口腔内を消毒してもらい、急いでお近くの歯科医院に向かってください。

外傷歯の範囲にもよりますが、処置までの時間が短ければ短いほど成功率は高くなると考えています。

欠けてしまった歯とお口の細菌が触れる時間が少なければ予後が良くなるのはイメージがつきやすいと思います。

ただしカケラが見つからない場合も当然あることでしょう。その場合はそのままご来院ください。

さて歯科医院に到着すると

❶お口以外に頭など打っていないか確認する。

→頭などを打っていると、時間経過で嘔吐症状など起こすことがあります。

もし打った場合は病院でのCTやMRIなどで脳への影響がないかを確認してもらいましょう。

❷外傷歯の動揺度(揺れているか?)や歯髄(歯の神経)が露出していないかどのような痛みを有するのかを確認する。

→この中でも歯の神経が露出しているかは最重要です。

神経が露出していたとしても、保存する方法はございます。(後述いたします。)

❸レントゲン撮影を行い、歯の位置がずれていないか、亀裂など有するか確認します。

→視診で確認しても実際レントゲン撮影を行うと、歯が割れていたりすることもあります。

[即日の処置に関して]

☆神経の露出が無く、カケラがある場合

→そのまま接着することがあります。

接着直後は乾燥しているため、色調が合わないように見えますが時間経過してお口の水分を吸収して色調が合ってきます。

その後痛みがないかの確認をしていきます。

☆カケラの持参が無く、神経の露出はない場合

→コンポジットレジンと呼ばれる材料にて一旦歯の形を仮で詰めます。

その後痛みの有無を見て経過が良ければ、再度色調形態を合わせたダイレクトボンディングという手法を行うことが理想です。

ただし痛みが激しくなった場合などは、歯の神経を除去することも考慮します。

☆折れた歯の神経が軽度に見えている場合

→この場合顕著な痛みが無ければ神経を温存することが多いです。

外傷歯というのは、虫歯のように細菌の感染はほぼないと考えますので神経を極力温存します。

この術式を神経の覆髄処置と言います。

神経を落ち着かせるお薬(MTAなど)を貼薬して先ほどのコンポジットレジンにて仮詰めします。

☆歯に激痛があり、神経の露出具合や残存している歯の量が少ない場合

神経を除去する処置(抜髄)を行います。その後の差し歯にするかコンポジットレジンで修復するかは治癒計画にもよります。

また、部分的な矯正治療(MTM)が必要なケースもあります。

今回は一症例を例にお出ししました。

次回のコラムでは他症例について掲載しますので、続きをお待ちいただけたら幸いです。

 
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