羽曳野市恵我之荘の青木歯科でございます。
本日は口腔外科領域にも含まれます、口腔内に生じる口腔癌を幾つか
ピックアップしていきたいと思います。
まず口腔内に生じる癌というのは、全ての癌の種類の中でも低い割合になります。
しかし、だからと言ってお口の癌にならないわけではありません。
今回は少しでもお口の中の微小な変化に気づいていただけたらと思います。
❶舌癌
舌癌とは、舌に生じる癌になります。
舌癌は口腔癌の中でも最も多い癌になります。
舌癌の特徴としては、硬結(硬いしこりを有する)、白斑(白い模様がある)、潰瘍(ただれがある)
などが主な症状になります。
初期段階では痛みがないこともあり、違和感だけ有する時もあります。
ただし、進行していくと痛みや膿が生じ、構音障害(会話が困難になる)こともあります。
また進行の程度にもよりますが頚部リンパ節への転移なども、しこりができることで判明します。
舌癌の中でも好発部位としては、舌縁と呼ばれる舌の横の部分になります。
この舌縁とよばれる横の部分は、歯と舌が頻繁に擦れたりする部位にもなります。
さらにこの刺激により舌の細胞が変異をして癌細胞へと変貌していきます。
例えば被せ物が外れたまま数年放置すると、歯の鋭縁が舌に触れて舌癌になる可能性が高まります。
もし治療途中の歯があれば一度お近くの歯科医院に足を運んでください。
❷歯肉癌
歯肉癌とは、歯ぐきに生じる癌です。
口腔癌では、舌癌についで多い癌となります。(約30%を占めます)
好発部位としては、上顎より下顎に多く頻発します。
早期に発見した場合でも、歯ぐきの下の骨に浸潤する場合が多いです。
つまり癌を取り除く場合は、顎の骨の一部も切除しないといけない可能性も高くなります。
口腔外科領域での手術にはなりますが、ご紹介させていただきます。
❶下顎辺縁切除術
癌細胞の浸潤が浅い場合に行う術式になります。
❷下顎区域切除術
癌細胞がより深く骨に浸潤した場合に行う術式になります。
❶の下顎辺縁切除術より広い範囲で骨を切除しますので、顔貌(顔の輪郭)が変化することもあります。
そのため、チタンプレートと呼ばれる金属の板を使用したり、肩から皮膚と肩甲骨などを移植して
縫い合わせる方法もあります。
また喪失したご自身の歯に関しては、顎義歯と呼ばれる特殊な入れ歯を製作します。
顎の骨が欠損しているので、顎の形態も考慮した特殊な入れ歯になります。
(口腔癌の予防)
口腔癌の誘発因子としては、お酒、喫煙、口腔内の不衛生、生活習慣
など多岐に渡ります。
また、入れ歯が合わないのにそのまま使用すると、傷から癌へと変化
する場合もあります。
できるだけ、生活習慣に気を配り、適度な飲酒と良質な睡眠をとる。
そして何より、歯科医院にて口腔内を清潔に保っていくことが最重要
になります。
少しでもお口の中のわずかな変化が気になる場合は早期に足を運んで
いただけたら幸いです。
青木歯科でも定期的に粘膜や舌など確認をし、口腔内写真をお撮りす
ることで、変化の有無をお一人お一人確認しておりますので、ご安心
ください。