羽曳野市恵我之荘の青木歯科でございます。
今回は乳歯が成人期を越えても残っている事象についてお話しさせていただきます。
まず乳歯についてお話しさせていただきます。
前回のコラムでもお話しはさせていただきましたが、おさらいしましょう。
まず、乳歯が初めて生えてくるのは生後約6ヶ月(男女差を有する)下の前歯が多いです。
そこから上やまた下の前歯と奥歯が生えはじめます。
そして最終的に2歳6ヶ月にて萌出完了いたします。
そこから大人の歯つまり永久歯が生えるまでは6歳になるので、4年弱になります。
さてここから永久歯に生え変わっていき、成人期になったタイミングで気づく方がいらっしゃいます。
『そういえば、1.2本乳歯が残ってるような気がする。』と
乳歯の晩期残存について
いつまでたっても乳歯が残っていることを、歯科用語で乳歯の晩期残存と言います。
ではなぜいつまでも抜けないのか??
ほとんどの場合が乳歯の下に永久歯が生えていないことが原因です。
乳歯がグラグラ揺れる原因は下から永久歯が上がってきて、乳歯の歯根を吸収するからです。
また、下に永久歯はあるがしっかりと上に生えてこないために残っていることもあります。
晩期残存の対処方法
❶抜歯後にインプラント
残っている乳歯が揺れていて、いまにも抜けそうな場合
このケースでは乳歯を抜歯してインプラントを埋入します。
ただし、骨の中に永久歯が残存している場合は安易にインプラントはできませんので他の対処が必要になります。
またインプラント以外にも、抜歯した歯の両隣を削るブリッジ治療
そして入れ歯なども選択肢としてございます。
治療期間やご予算や機能性など様々な条件がありますので、ご相談させていただきます。ご安心ください。
❷抜歯後に矯正治療
乳歯の抜歯を行い、骨の中に残存する永久歯をワイヤーとフックの原理にて矯正治療で動かしていきます。
動かす際には歯ぐきを切開して骨を削る『開窓と牽引』という外科的矯正治療が必要となります。
また先天的に永久歯が欠損している場合は、症例ごとに限りはありますが、矯正治療や小児矯正により歯並びを整えることもあります。
❸経過観察
『経過を見ましょう』この言葉は便利な言葉だとよく言われます。
しかし経過観察もその目的を明確にして追えば、しっかりとした治療であります。
例えば、患者さまが揺れてもいない日常生活で問題がない晩期残存の乳歯の抜歯を望まない場合もあることでしょう。
その乳歯に感染や治療の必要を有すれば介入は必須です。
ただし状態が安定しているならば、経過観察も立派な選択肢の1つであります。
そして継続的な歯周病の治療の際に、毎回の確認は必要にはなりますので、青木歯科ではフォローさせていただきます。
まとめ
本日はあまり取り上げられる機会が少ない『乳歯の晩期残存』につい
て記述させていただきました。
意外とこの乳歯でお悩みの方は多いと把握しております。
またお悩みの方いらっしゃったら、お気軽にご相談ください。